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子どもの予防接種で準備するもの・持ち物とは?嫌がる子どもをどうやって連れて行けば良い?

2022/12/23
お知らせ(保育コラム)食育・健康

子どもの予防接種について、どんな種類のワクチンを打つのか、予防接種を受けるときの準備や服装、受けた後の過ごし方、子どもが嫌がらないようにする方法などについて解説します。また、代表的な病気の症状や再登園までの待機期間、保育園との連携についてもまとめました。前もって予防接種の種類や流れを知っておくと、万が一のときにも慌てずに対処できます。

どんな予防接種を受けるの?

0~2歳までの間に受ける予防接種を以下の表にまとめました。いずれも接種する必要のあるワクチンです。そのうち、定期接種が13種類、任意接種が2種類あります。
<0~2歳までの間に受ける予防接種>
定期接種 任意接種
1. ヒブワクチン
2. 肺炎球菌結合型ワクチン
3. B型肝炎ワクチン
4. ロタウイルスワクチン
5. 四種混合ワクチン
6. 三種混合ワクチン
7. 不活化ポリオワクチン
8. BCG
9. 麻疹(はしか)・風疹(三日はしか)混合(MR)ワクチン
(麻疹ワクチン、風疹ワクチン)
10. 水痘ワクチン
11. 日本脳炎ワクチン
12. 二種混合ワクチン
13. ヒトパピローマウイルスワクチン
1. おたふくかぜワクチン
2. インフルエンザワクチン
定期接種のワクチンは、日本小児科学会が推奨する接種スケジュールにそって接種します。任意接種は、周囲の感染状況に合わせて接種するワクチンです。予防接種は、病気にかかりにくくしたり、予防したりといった目的で行われています。大人になってから発症すると重篤な症状になってしまう病気もあるため、親が自己判断で予防接種を受けさせないとする際は、注意が必要です。また、予防接種を受けないことで、お子さんが感染を広げてしまうというリスクもあります。 共働き世帯やひとり親世帯、小さな兄弟が多いなどの場合、予防接種会場に連れて行く時間が作れないといった場合もあるでしょう。そんなときは、保育園と連携を取って、時間が作れないか相談してみましょう。

予防接種当日に準備するもの・服装

予防接種の当日に準備するものや服装につてまとめています。当日はばたばたしてしまうかもしれないので、前もって用意しておき、出発前に持ち物をチェックする程度で済むようにしておくと、忘れ物をせずに済むでしょう。

接種日に準備するもの

  • 母子手帳
  • 健康保険証
  • 予防接種予診票
  • 乳幼児医療証
  • 任意接種の場合は現金やクレジットカード
当日、忘れずに持って行くものリストです。母子手帳や健康保険証などは普段から持ち歩いている方も多いので、忘れにくいかもしれません。ですが、お知らせと一緒に届く予診票は「予防接種当日に記入して持って行こう」、「記入してから他のものとまとめておこう」とすると、持ち物を準備するときになって「どこに置いたっけ?」となりがち。届いたら日程を確認して早めに記入し、普段持ち歩く母子手帳や保険証とひとまとめにしておくと良いでしょう。 おたふく風邪やインフルエンザのワクチンなど、任意接種の場合は料金がかかります。そのため、支払い用の現金やクレジットカードなども必要です。予防接種の予約時に支払い方法を聞いておき、現金のみであれば忘れずに持って行くようにしましょう。クレジットカードの場合は、予防接種で利用できるクレジットカードを確認しておくと安心です。

必要に応じて用意するもの

待ち時間が長くなるとお子さんがぐずってしまうことがあるので、ミルクやおやつ、お気に入りのおもちゃなどがあると良いでしょう。ミルクではなく母乳の場合は、授乳ケープを忘れずに。ただ、接種直前・直後に飲食すると、吐いたのが副反応によるものなのかがわからなくなるので避けてください。おむつや着替えは普段のお出かけと同様に用意しておけばOKです。

接種当日の服装

赤ちゃんの服装

予防接種のときは、注射だけでなく医師による問診や触診があります。そのため、着脱しやすい服装にしましょう。お座りがまだできない時期であれば、股部分から着脱できるロンパース、お座りできる子なら上下が分かれた服がおすすめ。注射する腕や太ももが出しやすいかもポイントです。さっと脱がせられるか試しておいても良いかもしれません。 季節によって、暑かったり寒かったりもあります。会場の空調によっても違うでしょう。臨機応変に体温調節がしやすい服か意識することも忘れずに。必要に応じて羽織れるものやブランケットなどがあると便利です。

大人の服装

付きそう大人は、動きやすい服装にしましょう。予防接種のときに、子どもが動かないように抱っこしたり押さえたりする必要があるためです。子どもによっては、嫌がって暴れる子もいるので、双方が怪我をしないように、指輪やネックレスなどのアクセサリーや時計類も外しておきましょう。お子さんが予防接種の緊張から吐いたり、お漏らししたりといったことが考えられる場合、大人用の着替えも用意しておくと安心です。

予防接種当日の流れ

予防接種当日はどのように進行して、何をすれば良いのかを解説します。

来院前

接種当日の来院前には、熱や咳、鼻水などの風邪の症状はないか、便秘や下痢などをしていないかなど、体調面をチェックします。食欲や元気があるかも見ておきましょう。 体調チェックと合わせて体温も測ります。37.5度以上の場合は、予防接種が打てない可能性があるため、接種可能かを会場に問い合わせてください。接種ができない場合は、改めて予約を取る必要があります。 授乳や食事は接種30分前までには済ませておきます。内服タイプのワクチンの場合、吐き戻しがあるときちんとワクチンが体に取り込まれないためです。特に小さいうちは、授乳後のゲップで吐いてしまう子も多いので、内服するワクチンの接種直前に授乳はしないようにしましょう。

来院後

来院したら、母子手帳や健康保険証、予診票、乳幼児医療証などを受付に提出して順番を待ちます。予診票の内容に加えたいことが出てきた・当日になって気になってきたことなどがある場合は、受付の際に伝えて対応を仰ぎます。待ち時間中に外に出る必要があるときは、受付に一声かけるようにしてください。不在だと判断されてしまうと、予約したのに接種できなくなる可能性があります。

接種後の院内待機

予防接種後、重大な副反応やアナフィラキシーショックが出ないかを確認するため、15~30分ほど院内で待機します。子どもの様子に変化がないかどうか確認しながら待ちましょう。少しでも気になる症状があるようなら、医師に確認してもらってください。

帰宅後

帰宅後も、お子さんの体調に変化がないかどうかを気にしてあげましょう。呼吸が荒い・息苦しそうにしている・じんましんや発疹が出てきた、といった症状がある場合は、気づいたら直ぐに医療機関に相談してください。また、授乳は接種後30分以上が経過してからにしましょう。吐いた場合に、副反応が原因なのか、単にお腹いっぱいで吐いたのかがわからないためです。 お風呂は、注射した箇所を強く擦らない・長湯しないことを条件に入って問題ありません。夏場であれば、さっと汗を流す程度にしておくと良いでしょう。冬場は体を冷やさないよう気をつけながら入浴してください。

子どもが予防接種を嫌がるときの対策

子どもが予防接種を嫌がる・会場で機嫌が悪くなるといった場合の対処方法を紹介します。

機嫌の良いタイミングで病院へ

しっかりと寝た後やお腹が空いていない時間帯など、子どもの機嫌が良いタイミングを普段からチェックしておき、その時間帯に予防接種の予約を入れるようにしてみましょう。眠かったり、空腹だったりすると、どうしてもぐずってしまいます。ある程度欲求が満たされている時間帯に予防接種を受けるようにしてみてください。

お気に入りのおもちゃや絵本を用意

ぐずってしまったときのために、お気に入りおもちゃや絵本を用意するのも手です。スマートフォンやタブレットに好きな動画を取り込んでおいて、いつでも見られるようにしておくのも良いでしょう。接種を受ける会場にキッズスペースがある場合は、気分転換に一緒に遊んでも良いかもしれませんね。

病院選び・先生選びに注力する

接種会場となる病院や対応してくれる医師をリサーチしておくのも1つの方法です。普段からかかりつけとしてお世話になっている先生がいる病院なら、人見知りをして機嫌を損ねてしまうのを防げるかもしれません。また、医師だけでなく看護師やスタッフもいつもの病院であれば、子どもに慣れているか・受け答えは納得できるかなど、不安も少なくなるでしょう。特にかかりつけのクリニックがない場合は、病院の口コミや利用したことがある他の親御さんに医師や看護師・スタッフの対応など話を聞いてみると情報を集めやすくなります。

注射のシミュレーションをしておく

意思の疎通が図れる年齢であれば、当日の流れを前もってお子さんに説明しておくことで、「何が起こるかがわからない」不安を軽減できます。ごっこ遊びの延長で予行練習しておくのがおすすめです。また、予防接種後に楽しみになるご褒美を用意しておき、「予防接種=痛いだけ」といったイメージを早い段階から払拭しておくと、後々が楽になるかもしれません。

もし子どもが発病してしまったら

予防接種のタイミングによっては、対象としている病気にかかってしまうこともあります。代表的な病気について、症状や発症した際にどのくらいの期間で再び登園できるか、保育園等への連絡はどうすれば良いかなどをまとめました。

発病した場合の待機期間と症状

・感染性胃腸炎(ロタウイルス)…2~7日

ロタウイルスによる感染性胃腸炎は、嘔吐や水のような下痢、発熱、腹痛等が現れます。潜伏期間は2~4日ほどです。明確な待機期間は定められていないため、症状が治まれば登園しても良いでしょう。発症から回復までは、2~7日ほどと個人差があります。脱水症状になると病院での治療が必要です。また、けいれん、肝機能異常、急性腎不全、脳症、心筋炎などの合併症を起こすこともあります。

インフルエンザ…発症から5日、熱が下がってから3日

突然の高熱から、倦怠感や関節痛、食欲不振などの全体症状、鼻水や頭痛、咳などの部分症状が現れます。総じて1週間ほどで回復しますが、気管支炎や中耳炎、脳症などの合併症が生じることもあるため注意が必要です。

水ぼうそう…1週間程度(すべての水ぶくれがかさぶたになるまで)

高熱の後に発疹ができ、痒みをともなった水ぶくれができる病気です。発熱から発疹が出るまで24時間と、一気に広がります。水ぼうそうは感染しやすいため、症状が出たら直ぐに登園は控えましょう。個人差はありますが、発症から1週間程度で症状は落ち着いてきます。

はしか…熱が下がって3日以上経過

熱や咳、鼻水といった症状とあわせて発疹が出る病気です。始めは熱と風邪のような症状が出て、さらに高熱が出るときに発疹が現れます。全身の免疫機能が低下するため、合併症に注意が必要です。症状自体は1週間ほどで落ち着きますが、免疫力や体力が戻るまで1ヶ月ほどかかるので、その間に他の病気にならないように注意が必要です。

風疹(三日はしか)…発疹がなくなるまで

風に乗ったウイルスから感染する病気です。耳や首の後ろにあるリンパ腺が腫れたり、赤い発疹が出たりします。熱が出ても37.5度程度、症状も3日ほどで落ち着きますが、まれに血小板減少性紫斑病や脳炎といった合併症を引き起こすことがあります。また、ワクチンを打たず大人になった人が妊娠中に風疹になってしまうと、胎児に心疾患や緑内障、難聴といった先天性の障害が起こるリスクがある恐ろしい病気です。

保育園への連絡は?

各症状が出たら、まずは病院で診断を受けます。その後、病名や症状と合わせて保育園に連絡してください。朝の段階で具合が悪いようであれば、その日に登園が難しいことだけ先に伝え、診察の後に詳しい状況を連絡します。 感染力の高い病気であれば、登園を控えるように言われるので従いましょう。他の園児との接触や園内での行動などから、感染経路や今後の対応について話がされるケースもあります。わかる限りの情報を伝え、連携を取って感染拡大に備えましょう。病気の種類によっては、通っている保育園ごとに登園許可証が必要なケースがあるので、報告の際に確認してください。

保育園との連携

予防接種を受けた後は、副反応が出る場合があるため登園は控えるようにしましょう。ですが、やむを得ない状況で接種後に預かってもらいたい場合は、保育園と相談して決めるようにします。相談の際には、医師から聞いておいた接種後の注意事項を、保育園に伝えるのを忘れずに。 また、接種後直ぐではなく翌日など時間をおいて登園する際は、予防接種を受けたことや家での様子などを保育園に伝えてください。ワクチンの種類によって、接種後1週間程度から1ヶ月程度は、注視しておく必要があるためです。保育園に嘱託医や看護師などがいるようであれば、伝言をお願いして、万が一の事態に備えてもらいましょう。 食材のアレルギーがある際は、調理師に予報接種を受けたことを伝えたうえ、いつもより注意を払ってもらうようにお願いしておきます。また、食欲が落ちているような場合も対応してもらえるか聞いてみてください。 予防接種を受けた後、子どもの体調や気持ちの変化があれば、保育園と連携を取って様子を見ていきましょう。また、病気にかかってしまった場合も同様に、家での様子や症状の具合などを保育園へきちんと伝えて、登園のタイミングを調整することが大切です。
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