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パパ・ママを悩ませるイヤイヤ期…イヤイヤ期が来る理由と対処法について

2024/04/16
お知らせ(保育コラム)学び・育み

多くの子どもは、成長する過程で「イヤイヤ期」と呼ばれる時期に差し掛かります。お父さん・お母さんをはじめ周囲の大人を振り回してしまう「イヤイヤ期」ですが、イヤイヤ期が来る理由や効果的な向き合い方を知っておくことで、振り回される回数が減るかもしれません。ここでは、イヤイヤ期にある背景や対処法をご紹介します。

イヤイヤ期とはそもそもどんな時期?

イヤイヤ期とは、簡単に言うと、子どもの自己主張が強くなる時期です。「〇歳になったら来る」という明確な定義はありませんが、多くの場合は2歳頃に始まって3歳の終わり頃に落ち着いてきます。4歳になる頃にはすっかり落ち着いて、「あんなにイヤイヤしていたのが嘘みたい」と感じるお父さん・お母さんも少なくありません。イヤイヤ期のピークは多くの場合2歳頃だとされており、この時期を指して「魔の2歳」と呼ぶことも。また、「第一次反抗期」と表現されることもあります。

この時期の子どもには自我や自立心が芽生えはじめており、何でも「自分でやる!」と言って聞かなかったり、大人からすれば何でもないことでかんしゃくを起こしたりすることがあります。くわえて、まだ子どもであるため自分の感情をうまく言語化できません。その結果、自分の気に入らないことがあったり、物事がうまくいかなかったりすると、激しいかんしゃくを起してしまうのです。自分のなかにあるモヤモヤや気に入らないことを上手に言葉で表すことができず、「イヤ!」と激しく表現することで自己表現しているのだと考えると良いでしょう。また、自分のなかの快・不快、好きなことや苦手なことを、イヤイヤ期の課程で明確にしていっているとも言えます。

イヤイヤ期のあるある現象

イヤイヤ期に入ると、子どもはさまざまな場面で泣きわめいたり、かんしゃくを起こしたりします。イヤイヤ期でとくによくみられる子どもの行動を、いくつか解説します。

何でも自分でやりたがる

食事や着替えなど、さまざまな場面で「自分でやる!」と自己主張してきます。エレベーターやバスではボタンを押したがったり、スーパーではカゴやバッグを持ちたがったり、要求の内容は子どもによってさまざまです。しかし、まだ子どもであるため、思い通りにいかないことも多く、その度にかんしゃくを起してしまうこともあります。危なっかしいことであっても「自分でやる!」と強情に言い張ることもあるため、お父さん・お母さんがヒヤヒヤしてしまうものです。この場合は、できる限り「やりたい」という子どもの気持ちを尊重してあげましょう。危なっかしいことや難しそうなことは途中まで手伝ってあげたうえで、最後の仕上げを任せてあげるのがおすすめ。うまくできたでき「やったね!上手だね!」と褒めてあげることも大切です。

なんでも嫌がって拒否

大人の「ご飯食べようね」「お風呂に入ろう」「お靴履いてお散歩に行こう」という声かけすべてに、「イヤ」と答えるのもよく見られます。こちらが言うことのすべてを嫌がって拒否してしまうので、向き合う大人も「じゃあどうすればいいの?」と困り果ててしまうものです。

そんなときは、子ども自身が思い通りに言い表せない気持ちを汲み取ってあげることが大切です。「お靴を履こうね」と声をかけて「イヤ!」と拒否されたら、どんなパターンの拒否なのかを考えてみましょう。「まだ行きたくない・まだ家で遊んでいたい」という真意があったとしたら、「お家に帰ったら続きをしようね!」と声をかけてあげると効果的。ほかにも、「急なお出かけに驚いているから、行先を知りたい」という意味の「イヤ」なのか、何となく口に出してしまっていた「イヤ」なのか、さまざまなパターンが考えられます。完璧に汲み取ることは難しいかもしれませんが、「単なるワガママではないんだな」と理解してあげることが重要です。

お出かけ先でもお構いなし

お買い物や遊びに出かけた先で、ちょっとしたことで泣きわめいてしまいます。「スーパーの床に突っ伏したまま泣き始めて動かなくなった」「アスファルトの道に大の字になって大騒ぎ」という子どもの言動に驚かされたお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか。お出かけ中にこうしたイヤイヤをされると、周りの目が気になって肩身の狭い思いをしてしまいます。周囲の目もあるため焦ってしまいがちですが、「〇〇したかったよね」、「〇〇だったよね」という子どもの気持ちに共感しながら様子を見てあげることが重要。優しく背中や頭を撫でて、スキンシップをはかるのも良いでしょう。「気持ちを受け止めてもらえた」という自己肯定感が子どもに芽生え、気持ちを徐々に落ち着かせてあげることができます。

物を投げたり壊したりする

お皿やカトラリー、玩具や着替えなどを投げつけて大騒ぎするのも、イヤイヤ期によく見られる言動。物を投げつけたり壊したりするのは、子どもにとって怒り・苛立ちを表現するのに最も手っ取り早い手段です。感情が高ぶり過ぎると、物だけでなく、お父さん・お母さんを叩いてしまうこともあります。投げ癖をつけさせないために、投げる前に止めることが大切。その後は「〇〇だよね」という共感を見せつつ、「叩いたり物を投げたりするのは痛いからやめようね」と付け加えて、やってはいけないことを教えるのも忘れずに。

お風呂や歯磨きを拒否

「お風呂に入ろう」、「歯磨きしようね」と声をかけたら、泣きわめいて全力拒否。家中を逃げ回り、毎日担ぐようにしてお風呂や歯磨きを済ませているというご家庭も少なくないはずです。子どもがお風呂や歯磨きをとくに嫌がるのは、「気持ちが切り替えられていないから」ということが考えられます。それまで楽しく遊んでいたのに、大人の都合で急に「お風呂に入るよ」、「歯磨きをしよう」と言われてしまっては、子どもとしても納得がいかないのです。そんなときは、「あと〇回遊んだら、お風呂に入ろうね(歯磨きしようね)」というように、予告をしてあげることが効果的。気持ちを切り替えるためのサポートをしてあげましょう。

着替えを嫌がる

イヤイヤ期がくると、着替えさせるのもひと苦労です。汗だくになっているのに「着替えたくない!」と泣きわめいたり、外は寒いのに帽子もジャンパーも嫌がって駄々をこねたりして大人を振り回します。この場合、暑い・寒いという理由以外にも「自分の着たい服じゃない」、「自分でうまく着替えられない」という理由が隠れていることもあります。どちらのパターンなのか、少し様子を見てから着替えのサポートをしてあげることが大切です。

どうしてイヤイヤ期は来るの?

そもそもイヤイヤ期が来るのは、前述のように子どもの自立心が芽生えているサイン。イヤイヤ期が来る背景や重要性を以下でご紹介します。

実は重要なイヤイヤ期

今までお父さん・お母さんにお世話されるだけだった子どもが、「自分でやりたい!」と自己主張できるようになる時期です。自我が芽生え、チャレンジ精神もどんどん育っていきます。色々な物事をスポンジのように吸収し、心身が著しく成長する時期なのです。理不尽な言動に振り回されて周囲の大人は疲弊してしまうかもしれませんが、「子どもが大きく成長している証拠」と前向きに受け取り、広い心で見守ることが大切です。

環境や育て方に関わらずイヤイヤ期はやって来る

イヤイヤ期は、環境や育児の方法に関わらずやって来るものです。イヤイヤ期に差しかかり、「このままワガママな子に育ったらどうしよう」、「私たちの育て方に問題があるのでは…」と不安になってしまう方もいますが、心配しなくても大丈夫。

というのも、子どもは大人に比べると感情を抑制する脳の「前頭前野」が未発達であるためです。前頭前野が未発達だと、感情表現が思うようにできず空気が読めないのは当然のこと。子どもが本能のまま行動できるのも、イヤイヤ期の時期だけです。イヤイヤ期が落ち着いてくると、子どもの前頭前野が急速に発達し、上手に感情を表せるようになったり、気持ちを抑えられるようになったりします。「脳が発達している証拠」として、ポジティブに受け取るようにしましょう。

感情が育っている証拠でもある

イヤイヤ期の子どもには、日々さまざまな感情が芽生えています。「自分でやりたいけどうまくいかない」、「お腹が空いたけれどもっと遊びたい」など、複雑な気持ちを自覚できるようになっています。そんな複雑な感情をまだ上手に言い表せないため、「イヤ」「ヤダ」という簡単な言葉で表現し、もどかしい気持ちを大人へ伝えようとしているのです。ただ理不尽に嫌がっているように見えても、実際にはさまざまな感情が湧き上がっていると理解してあげることが大切です。

手先・運動能力も発達してきている

イヤイヤ期は、脳だけでなく体の発達も著しい時期。運動能力がどんどん発達して自由に歩き回れるようになり、お父さん・お母さんをヒヤヒヤさせることも少なくありません。また、手先が器用になりいろんな玩具で遊んだり、自分で着替えたりすることもできるようになります。

このように、脳だけでなく体もどんどん成長するにつれ、「自分でやりたい」という気持ちも芽生えてくるのです。とはいえ、前述のように気持ちを言葉で表すことはまだ苦手。そのギャップが、イヤイヤ期の言動に現れます。

イヤイヤ期との向き合い方

イヤイヤ期の子どもは、一見理不尽な言動ばかりしているように見えます。しかし、そこには想像以上に複雑な感情やモヤモヤが隠れている場合が多いのです。その点を踏まえて、イヤイヤ期とは以下のような方法で向き合ってみてください。

気持ちを言語化してあげる

感情表現が未熟な子どもの代わりに、お父さん・お母さんが気持ちを言語化してあげましょう。「これがしたかったんだね、こういう気持ちだったんだね」と、簡単な言葉でゆっくりと代弁してあげます。辛抱強く子どもにわかりやすい言葉で伝えてあげることで、お互いの気持ちも落ち着いてきます。また、「お父さん・お母さんが自分の気持ちをわかってくれた」という安心感を子どもに与えることもできます。

ある程度の諦めを持つ

「イヤイヤ期はこういうもの」という、諦めの気持ちをある程度持つことも大切です。子育てはマニュアル通りにいくことのほうが少ないもの。子どもが予測不可能な言動を繰り返すイヤイヤ期なら、なおさらです。すべてを完璧にこなそうとするのではなく、ほどほどに手を抜いて育児に向き合ってみましょう。

選択肢を提案してあげる

「このお洋服とこのお洋服、どっちを着る?」、「どっちの靴下を履く?」というように、選択肢を与えてあげることも有効です。常に成功するやり方ではありませんが、何かを選ばせてあげることで子どもの気持ちが落ち着き、すんなりと行動へ移してくれることもあります。また、選択肢を提案するときは、親にとって、どちらでも良い選択肢を提示することが重要です。たとえば、「赤い服と青い服どちらを選ぶ?」という選択肢をあげたとしたら、どちらの服を着ても親にとっては問題ない選択である必要があるのです。「本当は○○を着てほしい」という本心があったら、子どもが逆のほうを選んだときに、結局「こっちにしようよ」と誘導してしまい、選択肢を与える意味がなくなってしまいます。

気分の切り替えを手伝ってあげる

玩具の片付けを嫌がったり、お風呂や着替えを嫌がったりするときは、子どもの気持ちがうまく切り替わっていない証拠です。前述したように、「何時まで遊んで、その後はお風呂に入ろうね」と予告して少し先延ばしにし、気分の切り替えを手伝ってあげましょう。こうしてワンクッションを置いてあげることで、子どもなりに納得して行動に移してくれる可能性が高まります。

前半・後半で対処法を使い分けてみよう

子どもの発達度にもよりますが、2歳ごろまでは「不満な感情を代わりに言語化してあげる」「やりたい気持ちを受け止めつつ、こちらからも選択肢を提案する」という対応をします。3歳ごろになると、さらに手先が器用になったり、言語能力が発達したりして、できることも増えてきます。そうなってきたら、「自分でやりたい!」という気持ちに、できる限り応えてあげるのが効果的。このように、イヤイヤ期の対応を前半・後半で使い分けてみるのも良いでしょう。

子どものイヤイヤ期には、体力のある大人でも疲れてしまうものです。身近な家族や先輩パパ・ママにアドバイスをもらうことも大切です。同時に、専門知識を持った保育士さんにも相談してみるのも良いでしょう。

パソナフォスターが運営する保育園では、イヤイヤ期をはじめとする子育てのお悩みに寄り添っています。以下のページより、お近くの保育園をお探しいただいて、ぜひご相談ください。
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