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保育コラム
保育士の資格を取るには?試験の受け方から学校の選び方まで詳しく紹介!

コンテンツ

保育施設では、保育の専門家である「保育士さん」の存在が欠かせません。

子どもの頃に保育施設に通っていた方の中には、お世話になった保育士の先生に憧れて「保育士になりたい!」、「子どもと関わる仕事がしたい!」と夢を描いている方も多いのではないでしょうか。
保育士の資格は「年齢制限がない」ため、誰でも目指すことが可能です。保育士を夢見る学生だけではなく、社会人や主婦として活動しながら、保育士資格の取得に挑戦する方も少なくありません。

そんな保育士の資格取得を目指すすべての方に向けて、当コンテンツでは「保育士資格の取り方」から「保育士試験の内容」、「保育士の資格で働ける職場」に至るまで、詳しく紹介をします。
保育士の資格に関する疑問が少しでもあれば、問題解決のために当コンテンツを是非役立ててください。

保育士は「資格なし」でもなれるの?

保育士を目指す方の中には、「そもそも保育士資格は役に立つの?」と感じている方も多いかもしれません。保育士のなり方、資格の取得方法を紹介する前に、まずは「資格なしでも保育士になれるの?」という疑問を解消しておきましょう。

結論として、資格がなければ保育士としては働けません。

何故なら保育士は、医師や弁護士と同様に国家資格が必須の職業として扱われています。端的に言えば、有資格者でなければ保育士を名乗ることは認められていないのです。
「保育士になりたい!」と考える方であれば、保育士の資格取得がゴールとなるでしょう。

もちろん、保育士としてキャリアアップをするためには、保育施設での勤務経験が不可欠となります。この点を考慮すれば、保育士の資格取得はゴールではなく、「スタートライン」と言えるかもしれませんね。
キャリアを積むことで、保育園の運営を担う「園長」や、保育士の管理や指導を行う「主任保育士」を目指すことも可能です。

一方、「では資格がなければ保育施設で働けないの?」と思いがちではありますが、保育士の資格がなくても「保育施設で働くこと」自体は可能です。これは、保育園や託児所をはじめとした保育施設では、保育士のサポートを担う「保育補助」という仕事が存在するためです。
この保育補助であれば、資格の有無に関わらず働けるため、保育士を目指す方が「実務経験」を積むのに役立てるケースも珍しくありません。

とはいえ、資格のない保育補助は「子育てのサポートしか行えない」ため、そのまま保育士としてのキャリアアップに繋げることは困難でしょう。おまけに、保育士の資格がなければ、有資格者と比較しても賃金に差が出やすくなります。
資格によって知識やスキルを証明できなければ、保育士の正社員として登用されることもほとんどありません。以上の点を踏まえると、「資格なしでも保育士になれるの?」に対する解答は、以下の通りになります。

「保育士」として働くには保育士の資格が必要!

「保育補助」として働くなら保育士の資格は不要!

保育士として上を目指すなら、保育士の資格がやっぱり必要!

保育士の資格取得を検討している方であれば、あくまで保育補助は、「保育士を目指す上での過程」と捉えたほうが良いでしょう。子育ての現場で身に付けた保育補助の経験があれば、保育士の資格取得を有利にすることができます。

保育士の国家資格は2種類の取得方法から選べる

「保育士になるにはどうすればいいの?」という疑問を持つ方に向けて、「保育士の資格取得までの大まかな流れ」を紹介します。図のように、保育士の資格は「保育士の国家資格試験を受ける方法」と「保育士養成施設を卒業する方法」の2通りの取得方法が存在します。

どちらの方法でも保育士の資格を取得できますが、資格取得までにかかる期間や必要な手順などは、それぞれで大きく異なります。「保育士になりたい!」という目標を効率良く達成するためには、両方の基本情報を把握した上で、最適な方を選択するのが賢明です。

保育士の国家資格試験を受ける

一般的な資格と同様、保育士は定期的に資格試験が開催されています。試験に合格をすることで、晴れて保育士になれるという仕組みです。試験に合格すれば資格が取得できるシンプルな方法のため、主婦や社会人のように「働きながら保育士を目指す方」や、後述する「養成施設へ通うのが難しい方」の場合はこちらの方法を選択すると良いでしょう。

以下では、「保育士試験の概要」について詳しく紹介します。

保育士試験の受験資格とは?

保育士試験の受験資格
受験者の
最終学歴
受験可能となる条件
大学卒業 無条件で受験可能
大学在学中  2年以上在学、62単位以上取得済
(卒業見込み含む)
大学中退  2年以上在学、62単位以上取得済
短期大学卒業 無条件で受験可能
短期大学在学中 無条件で受験可能
専門学校卒業 卒業した課程が2年以上の専門課程
専門学校在学中 在学中の課程が2年以上の専門課程
(卒業見込み含む)
高等学校卒業
(保育科)
平成8年3月31日よりも前に卒業している
高等学校卒業
(保育科以外)
平成3年3月31日よりも前に卒業している
※いずれも学校教育法に基づく学校のみ

冒頭の記述通り、保育士の資格には年齢制限こそ存在しませんが、保育士試験には受験資格が存在します。わかりやすく言えば、「受験者の最終学歴」によって、受験できるかどうかが決まる仕組みです。上記の条件を満たしている方であれば、保育士の資格試験を受けられます。主婦や社会人の方であれば、まず自身の最終学歴を確認して「保育士試験の受験資格を満たしているかどうか」を判断しましょう。

中には「学歴の条件を満たさないと保育士になれないの?」と、疑問を感じた方も居るかもしれません。たとえ最終学歴を満たしていない場合でも、受験者の「勤務経験」で保育士試験の受験資格を得ることも可能です。

勤務経験による保育士試験の受験資格

保育士試験の受験資格
受験者の
最終学歴
受験可能となる条件
高等学校
卒業
児童福祉施設で2年以上、2,880時間以上の勤務経験
中学校
卒業
児童福祉施設で5年以上、7,200時間以上の勤務経験

具体的には、上記のように保育所や助産施設といった「児童福祉施設」で一定期間働いたことがあれば、保育士の受験資格が付与されます。

ここで言う児童福祉施設とは、「児童福祉法第7条に基づく児童福祉施設」のことですが、より詳しい情報に関しては、保育士資格試験の実施を担う一般社団法人 全国保育士養成協議会」のオフィシャルサイトをご確認ください。

保育士試験はどうやって申込みをするの?

保育士試験の申し込み手順
1.受験申請の手引きを取り寄せる
2.到着した受験申請書に必要事項を記入する
3.必要書類を揃える
4.郵便局で試験の受験料を支払う
5.受験申請を行う
保育士試験への申請方法を簡単に紹介すると、図の通りになります。

試験の運営管理を担う「一般社団法人 全国保育士養成協議会」のオフィシャルサイトでは、保育士試験の申し込みを受け付けています。インターネット(または郵送)から申し込み後、受験者の元に「受験申請の手引き(受験申請書、受験料の払込取扱票、提出用の専用封筒)」が到着します。必要事項を記載したのち、返送をすることで試験の申し込みが完了する流れです。

ワンポイントQ&A

注意すべきポイントとして、試験の受験料(12,950円)は銀行やATMでの支払いができず「郵便局のみで支払いが可能」という点を留意しておきましょう。郵便局の窓口にて所定の金額を払い込んだ後、「振替払込受付証明書」を受験申請書に貼りつけることで、支払いの証明が完了します。

保育士試験の申し込みが完了した後は、試験の10日から2週間前後の前に、受験者の元へ「受験票」が送付されます。この受験票は、保育士試験で必ず必要となるため、試験日までに紛失をしないようにしてください。

ちなみに「保育士試験への申請が可能となる時期」は、「試験実施の約3ヶ月前」となります。 保育士の資格試験は、前期(4月)と後期(10月)の年2回実施されていますが、申し込みに関しては概ね「1月」と「7月」にそれぞれの受付が開始される仕組みです。試験の受付期間は約1ヶ月間継続されますが、期限を過ぎてしまうと試験を受けられなくなってしまうため、受験希望者の方であれば、忘れないうちに申し込みを行うと良いでしょう。

保育士試験の申し込みに必要な書類は?

保育士試験の申し込みに必要な書類
必須の書類 受験申請書
受験料の払込取扱票
受験資格証明書類
任意で必要
となる書類
幼稚園教諭免許状
一部科目合格通知書等

先の項で紹介した内容を踏まえて「保育士試験の申し込みには何が必要か」を説明すると、上記の通りになります。必須となる受験申請書や払込取扱票は「一般社団法人 全国保育士養成協議会」のオフィシャルサイトから発送してもらう形で取得できますが、「受験資格証明書類」は受験者が用意をする必要があるため、添付を忘れないよう注意が必要です。

ここで言う「受験資格証明書類」ですが、これは「受験者の立場」によって大きく変化します。保育士試験の受験資格が、受験者の最終学歴や勤務経験によって細かく異なる分、資格の証明に必要な書類も変化するのです。

受験資格証明書類一覧

保育士試験の受験資格証明書類
受験者の
最終学歴
資格証明に必要な書類
大学卒業  学校所定の卒業証明書
大学在学中 学校所定の在学証明書
大学中退  在学期間・単位修得証明書
短期大学卒業 学校所定の卒業証明書
短期大学在学中 在学証明書または卒業見込証明書
専門学校卒業 専修学校卒業(見込)証明書
専門学校
在学中
専修学校卒業(見込)証明書
高等学校卒業
(保育科)
学校所定の卒業証明書
高等学校卒業
(保育科以外)
学校所定の卒業証明書

「結局、受験資格証明書類は何を用意すればいいの?」という方であれば、上記のリストをご参考ください。勤務経験で受験資格を証明する場合は、「児童福祉施設勤務証明書」が必要となります。

わかりやすく言えば、保育士試験は「学歴を証明する書類」または「勤務経験を証明する書類」のどちらかがあれば、受験資格を証明できるのです。

ワンポイントQ&A

卒業証明書や在学証明書であれば、学校のオフィシャルサイトまたは郵送を通じて申し込めます。勤務経験を証明する児童福祉施設勤務証明書は「勤務先に記入してもらう」という形で発行が可能です。

なお、任意で必要となる「幼稚園教諭免許状」や「一部科目合格通知書」は、後述する「試験科目の免除申請に使用する書類」であるため、所有していない方であれば添付をする必要はありません。どの書類を用意するにしても、申し込みに備えて事前に取得をしておくと良いでしょう。

注意点として、先に挙げた書類はいずれもコピーを使用できません。申し込みの際は、必ず書類の原本を添付するようにしてください。書類の発行にかかる日数は、教育機関または勤務場所によってまちまちですが、試験の申し込みに期限があるという点を考慮すれば早めに発行を依頼するに越したことはないでしょう。

保育士試験では何が出題されるの?

保育士試験の内容
区分 試験科目 満点 合格ライン
筆記試験 1.保育原理 100 60
2.教育原理及び社会的養護 50 30
3.子ども家庭福祉 100 60
4.社会福祉
5.保育の心理学
6.子どもの保健
7.子どもの食と栄養
8.保育実習理論
実技試験 1.音楽表現に関する技術 50 30
2.造形表現に関する技術
3.言語表現

保育士の資格試験は、「8科目の筆記試験」と「3科目の実技試験」に分類されます。いずれの科目も子育てに関わるもので、保育士には欠かせない知識と技術をはかる試験です。筆記試験に合格した人のみが実技試験を受けられ、晴れて両方の試験に合格すれば、保育士の資格が発行されます。

筆記試験は、すべての科目で合格点を満たす必要こそありますが、「1度合格した科目は3年間有効」なので、試験を複数回に分けて合格を目指すこともできます。

保育士試験の免除科目

所有資格 免除される試験科目(区分)
幼稚園教諭 保育の心理学、教育原理、実技試験
社会福祉士
介護福祉士
精神保健福祉士のいずれか
社会的養護、子ども家庭福祉、社会福祉

また、幼稚園教諭や介護福祉士といった資格取得者に関しては、試験の一部科目が免除される仕組みです。実技試験に関しても、3科目から任意で2科目を選べる仕組みなので、不得意な科目を避けることもできます。

一見すると、保育士の資格試験は「科目が多くて難しそう…」という印象を受けますが、上記の理由から「対策そのものはしやすい」と言えるでしょう。自身の得意科目を選び、複数回に分けて根気よく受験をすれば、保育士の資格試験に合格するのも夢ではありません。もちろん、対策を十分に重ねれば「一発合格」を狙うことも可能です。

ちなみに、保育士は「生涯有効の国家資格」なので、自動車免許のような資格の更新試験は存在しません。「年齢制限と有効期限がどちらも存在しない」という特性から、セカンドキャリアとして保育士を目指す方も少なくないのです。

保育士試験の日程とは

試験日程
前期試験 筆記試験 4月下旬
実技試験 6月下旬、7月上旬
合格発表 実技試験から約1ヶ月後
後期試験 筆記試験 10月上旬
実技試験 11月下旬、12月上旬
合格発表 実技試験から約1ヶ月後

申し込み方法の項でも多少言及しましたが、保育士の資格試験は前期と後期の年2回実施されています。 筆記試験と実技試験はそれぞれ別日に行われ、「筆記試験の2~3ヶ月後に実技試験が開催される」という仕組みです。

例えば、前期(4月)に筆記試験を受けた場合は、実技試験が6月もしくは7月に開催されます。実技試験が完了した後は、約1ヶ月後に試験の合格発表が行われるのです。

ワンポイントQ&A

端的に言えば、保育士の資格試験から合格発表までは、約4ヶ月の期間が必要となります。 筆記と実技で試験日の間隔が長いのは、「試験結果を早く知りたい」という方にとってはデメリットに感じるかもしれません。とはいえ、試験日まで日数に余裕が生まれるのは、裏を返せば「対策に時間をかけやすい」というメリットにも繋がります。実技試験までの2~3ヶ月間を、受験対策に活用をすることで、保育士の試験合格をより確実にしやすくなるのです。

なお「何日に試験が行われるの?」、「保育士試験の具体的な日程を教えて」など、保育士試験の具体的な試験日を確認したい場合は、保育士資格のオフィシャルサイトから確認をしてください。これは、自然災害や感染症等の影響により、例外的に試験日が変更となる可能性もあるためです。先に挙げた日程は、あくまで目安ということを留意しておきましょう。

保育士試験の試験会場はどこ?

保育士の試験には固定の試験場がなく、イベントホールや貸し会議室、大学のキャンパス内など様々な場所で開催されています。

大きな特徴として、保育士の試験は「受験者が任意の試験会場を選ぶことができない」という点です。試験の出願時に選んだ都道府県によって、運営者側が受験者の試験会場を決めるようになっています。わかりやすく言えば、保育士試験の出願時に「東京都」を選択すると、「東京都内のどこか」の試験会場が選択される仕組みです。

ワンポイントQ&A

保育士試験は、出願時に具体的な会場が公表されるケースはほとんどなく、会場決定後にオフィシャルサイト上で確認できるようになります。試験当日は、受験票に指定された会場まで足を運んで保育士試験を受けることになるのです。受験を希望する都道府県こそ指定をできても、試験会場そのものは細かく選択できません(例外として北海道と沖縄県だけは「複数の地域」から受験会場の選択が可能です)。

ちなみに保育士の試験は、筆記試験と実技試験とで2種類存在しますが、出願時に選択した都道府県で両方を受験することになります。万が一、受験会場を変えたい場合であっても「受験会場の変更ができない」という点は、留意しておきましょう。

一見すると不便にも感じる方法ですが、試験会場は概ね交通アクセスの良い場所が選択されます。したがって「遠すぎて足を運べない」というケースは、あえて遠方の都道府県を申請でもしない限りはまずありません。「試験会場を任意で決められない」と言っても、移動の心配をする必要はないのです。

とはいえ、受験者によって会場までの移動手段は大きく異なります。場所によっては、電車やバスなどを使うケースもしばしばです。万が一の事態に備えて「会場までどのように移動するか」、「移動時間や交通費はどのくらいかかるのか」といった点は、事前に把握しておくことをおすすめします。

「地域限定保育士試験」とは?

一般の保育士 地域限定保育士試験
勤務できる場所 全国どこでも 3年間は受験をした地域に限定
(3年経過後は全国どこでも)
試験内容 実技試験がある 実技試験がない
(実技講習が代わりに存在する)
試験の開催場所 全都道府県で開催 年度によって開催場所が異なる

保育士試験の基本情報として、「地域限定保育士試験」についても触れておきましょう。

地域限定保育士試験とは、令和の現代でも根強く残る「保育士不足」の解消を目的に作られた試験で、その名の通り「特定の地域のみで働ける保育士」を認定する資格試験になります。端的に言えば、「大阪府の地域限定保育士試験」に合格をすると、大阪府内で保育士として勤務できるようになる仕組みです。

とはいえ地域限定保育士は、永続的に勤務場所が限定されるわけではなく、資格取得から3年経過後に「全国どこでも保育士として働けるようになる」という特徴もあります。

ワンポイントQ&A

この地域限定保育士試験は、一般的な保育士試験と比較をすると「実技試験が存在しない」という違いがあります。自治体によっては代わりに実技講習を受ける必要こそありますが、筆記試験のみで保育士試験が取得できるのは、保育士を希望する方にとって嬉しいポイントとなるでしょう。

このほか、地域限定保育士試験と通常の保育士試験とでは、試験科目や受験資格に大きな違いはありません。ですが、地域限定保育士試験は「開催地域が限定的」というデメリットがあります。開催場所の歴史を紐解くと、2019年度は大阪府と神奈川県、2020年度は神奈川県のみで実施されています。

将来的に開催地域が増える可能性こそありますが、地域限定保育士試験は「誰でも受験可能な保育士試験ではない」ことを留意しておきましょう。

この地域限定保育士試験の日程や開催地域は、一般的な保育士と同様の運営元である「一般社団法人 全国保育士養成協議会」のオフィシャルサイトで公開されています。いくつかの欠点こそありますが、地域限定保育士試験によって「保育士になれる機会が広がる」という点に変わりありません。

以上の点を踏まえれば、地域限定保育士試験は「勤務場所が3年間変わらなくても平気な方」や「実技試験の突破に自信のない方」におすすめの試験と言えるでしょう。

なお、地域限定保育士試験で合格した筆記試験の科目は、通常の保育士試験においても「3年間免除扱い」となります。そのため、「合格のチャンスを少しでも広げたい!」という方であれば、地域限定保育士試験の受験を検討してみては如何でしょうか。一般的な保育士試験を有利にする目的でも、地域限定保育士試験を受けるのも良い方法なのです。

以上、保育士試験の申し込み方法から具体的な試験科目に至るまで、詳しく紹介をしました。保育士だけに限った話ではありませんが、日程や会場場所といった最新トピックスが掲載されているため、資格試験に関する情報はオフィシャルサイトを通じて確認することをおすすめします。万が一、試験概要が変更となった場合でも、素早く最新情報を得ることが可能です。

以下の項では、保育士資格のもう一つの取得手段である「保育士養成施設」について詳しく解説をしましょう。繰り返しになりますが、資格試験と保育士養成施設は両方の基本情報を把握した上で、「どちらの取得方法が良いか」を選択してください。

保育士養成施設を卒業する

保育士養成施設は、ひと言で言い表せば「保育士の資格取得を目的とした学校」のことです。

保育士として必要な知識や技能を、カリキュラム内で一通り習得できる上、保育士養成施設は「卒業と同時に保育士資格が発行される」という特徴があります。卒業と免許取得が同時に行える点は「自動車の合宿免許」にも似た特徴ですが、資格試験を受けるよりも効率性に優れた取得方法と言えるでしょう。

主婦や社会人の方でも保育士養成施設に通うことは可能ですが、進学先を選ぶ上で「将来は保育士になりたい!」と考える学生の方におすすめの方法です。養成施設へ進学後に所定の科目や課程を履修すれば、無試験で保育士になる夢を叶えることができます。

保育士養成施設
区分
大学
履修期間 学費 主な特徴
4年制
大学
4年 200~
400万円
小学校教諭や幼稚園教諭を同時取得しやすい。
公務員試験の対策がしやすい。
短期
大学
2~3年 200~
250万円
短期間で大卒と保育士の資格取得が可能
ほかと比較すると養成施設の数が最も多い
保育士
専門学校
2~3年 200~
300万円
短期間で保育士の知識と技術を習得できる。
大学や短大よりも入学しやすい
通信制
大学
2~4年 50~
100万円
通学をせずに自宅で履修可能。
ほかの養成施設と比較すると学費を抑えやすい。
夜間
学校
2~4年 200~
400万円
夜間もしくは夕方から授業が開始される。
カリキュラムの密度が濃い。

ひと口に「保育士養成施設」と言っても、大まかに分類をすれば上記の5種類に分けられます。いずれも「保育士に必要な知識や技能を学べる」という点は同一ですが、それぞれで履修期間や開校時間などが大きく異なるため、特性を把握した上で進学先を検討すると良いでしょう。主な特徴はリストの通りですが、以下ではそれぞれの基本情報やメリットについて詳しく紹介しましょう。

4年制大学

4年制大学は、保育学科やこども学科、幼児教育学科といった「育児に関わる学科」を持つ大学が該当します。保育士を目指す上ではもちろんのこと、履修期間が長い分「ほかの資格取得を目指しやすい」のが特徴です。学部によっては、カリキュラムに公務員試験対策などを組み込んでいるケースも多いほか、卒業と同時に「幼稚園教諭免許」の取得が可能の大学も少なくありません。以下に該当をする方であれば、4年生大学への進学を検討するのも手です。

「より深く保育士の知識や技術を身に付けたい」

「様々な資格を取得して進路の選択肢を増やしたい!」

「保育士を目指しつつキャンパスライフを堪能したい!」

4年間をかけて保育士の知識や技術を学べるため、余裕を持った資格取得を検討している方にも最適かもしれませんね。欠点として、4年制大学は履修期間が長い分「学費が高額になりやすい」という特徴があります。「できる限り費用を抑えて4年制大学に進学したい」という方であれば、国立や公立のように学費がかさみにくい大学を選ぶのも良い方法です。

短期大学

4年制大学と同様、短期大学にも保育学科を持つ学校が存在します。4年制の大学よりも短い期間で保育士の資格を取得可能な上、履修期間が短い分、費用を抑えやすいのも特徴です。保育士に必要な知識を集中的に学ぶことができるほか、短大という特性上、卒業後は大卒資格が取得できる点は4年制大学と同一です。特徴を考慮すれば、短期大学は以下に該当する方に最適です。

「短期間で集中的に保育士資格を取得したい」

「即戦力として育児の現場で早く働きたい!」

「保育士と大卒資格を両方取得したい!」

ちなみに、進学先を選ぶ上で「重視する点」は人によって異なりますが、短期大学は「保育士養成施設の中で最も数が多い」という特徴もあります。学費やカリキュラムなどを比較検討した上で進学先を選べるのも、短期大学の大きなメリットと言えるでしょう。

保育士専門学校

専門学校とは、言わば「特定のスキルや資格の取得に特化した学校」のことですが、中には「保育士資格の取得」を目的とした専門学校も存在します。保育士資格の取得に特化している分、4年制大学や短期大学と比べて学習範囲は限られますが、より効率的な資格取得を目指すことが可能です。また専門学校は、大学のように「入学時に学力を求められる」というケースが少なく、入学のしやすさに関しても秀でています。

「ほかの資格取得はあまり考えていない」

「保育士に必要な知識や技術だけを身に付けたい!」

「入学試験を行わずに保育士養成施設へ通いたい!」

保育士の資格取得に特化しているため、卒業後の選択肢が狭まりやすいデメリットこそありますが、特性を考慮すれば保育士専門学校は上記のような方に最適と言えるでしょう。このほか、専門学校は履修期間が短い分、学費に関しても短大と同程度に抑えることができます。

通信制大学

通信制大学は、端的に言えばインターネットやDVD、衛星放送などを通じて授業を行う大学になります。その名の通り、学校に通わず「自宅で授業を受けられる」のが最大の特徴です。課題やレポートを提出して単位を取得する必要こそありますが、4年制大学や短大と同様、卒業と同時に保育士資格が発行される仕組みとなっています。ほかの方法と比較しても学費は最も抑えやすく、自宅で学習できるという手軽さも魅力と言えるでしょう。保育士を夢見る方の中でも、通信制大学は以下の方におすすめです。

「自分のペースで保育士の学習を進めたい!」

「仕事や家事で日々忙しいけど保育士になりたい!」

「学費を極力抑えたい!」

自宅学習が可能な分、通信制大学は社会人や主婦の方でも選択がしやすいかもしれません。とはいえ、「仕事や家事」と「保育士の学習」を両立させるのは、相応のバイタリティーが求められる点は留意しておきましょう。

また、保育士の資格取得は、保育実習参加が不可欠となる点は注意が必要です。大学や短大であればカリキュラム内に実習が含まれていますが、通信制の場合は「実習先となる保育施設」を自分で探す必要があります。

おまけに通信制はほとんどが自宅学習となる分、人によっては「モチベーションが保ちにくい」というケースもしばしばです。一見すると、通信制大学は「学習の手軽さ」や「費用の安さ」というメリットに目を奪われがちですが、付随するデメリットについても十分に把握しておくのが賢明です。

夜間学校

最後に、夜間学校(夜学)について触れておきましょう。先に挙げた保育士の大学や専門学校には、夜または夕方から開校をする「夜間課程」を持つ大学や専門学校が存在します。履修できる科目や課程自体は、保育学部や専門学校と大きな差はなく、保育士に必要な知識や技術を効率良く学ぶことが可能です。

なお、夜学は昼間に学ぶ課程と比べて、「授業の時間が短い」というケースが多くなっています。カリキュラムの密度が濃くなりやすい分、授業のペースが早めです。

効率的に学べることに間違いはありませんが、じっくり保育士の勉強をしたい方には不向きかもしれません。これらの点を踏まえた上で「昼間は家事や仕事で忙しい」、「夜の時間を利用して学びたい」という方であれば、夜間学校を利用して保育士の知識や技術を身に付けて見ては如何でしょうか。

以上、保育士養成施設の基本情報からそれぞれの違いに至るまで、詳しく紹介をしました。なお、卒業後に保育士資格が発行されるのは「育児に関わる学科」の話になります。もしも「育児に関係のない学科」へ進学した場合でも、保育士を目指せるのでしょうか。

結論としては、4年制大学と短大のどちらにしても保育士を目指すことは可能です。保育学科を持つ大学や短大の中には「編入学制度」を設けているケースも少なくありません。入学時期や条件などは学校ごとに異なりますが、制度を利用すれば進路の決定後に、学校や学科を変えることも可能となります。保育学科への編入後は、所定の科目や課程を履修することで、卒業後に保育士資格が発行される仕組みです。

もちろん編入学制度を利用しなくても、前項で紹介した「保育士試験」に合格さえすれば、晴れて保育士の資格が交付されます。

冒頭で述べた「保育士の資格は誰でも目指すことができる」のは、言い換えれば「資格取得を目指せる道筋そのものが多い」という理由にほかならないでしょう。保育学科以外の大学や短大に在学中、「保育士の資格を取得したい!」と考えた場合であっても「編入学を検討する」、「資格試験の合格を目指す」という形であれば、誰でも保育士の夢を叶えることができるのです。

資格取得後に保育士として働くには?

保育士の資格を取得できた方の中には、「早く保育士として働きたい!」と夢を膨らませている方も少なくないでしょう。

保育士試験と保育士養成施設のどちらの方法にしても、保育士として働くためには「保育士登録」が必要となります。保育士は、各省庁や都道府県が管理する籍簿に登録をすることで、はじめて「有資格者として働ける資格」なのです。保育士だけに限らず、国家資格の中には医師や美容師のように「登録が必要な資格」が数多く存在します。

保育士登録の具体的な方法は、以下の通りです。

保育士登録の手順
1.登録事務処理センターのオフィシャルサイトに移動する
2.「保育士登録の手引き」を取り寄せる
3.手数料(4,200円)を振り込む
4.郵送で申請書類を提出する

⇒保育士の登録 - 登録事務処理センター

申請書類の提出後、登録事務処理センターから保育士の証である「保育士証」が郵送される仕組みです。なお、申請から登録完了までは約2ヶ月の期間が必要となるため、早期に保育士として就職や転職を検討している方であれば、早めの申請を行うことをおすすめします。

ここで言う必要書類とは、「保育士試験の合格通知書」や「保育士養成施設の卒業証明書」などが該当します。試験の申し込みと同様、コピーによる申請ができないため、必ず原本を提出しましょう。申請は郵送のみで受け付けられているため、詳しい手順や送付先については、先に挙げた登録事務処理センターのオフィシャルサイトにて確認をするようにしてください。

保育士の資格があればどこで働けるの?

最後に、保育士登録が済んだ方に向けて「保育士の資格が働く上で有利となる場所」を紹介しましょう。名前の印象から、保育士は「保育園でしか働けない」と思われがちですが、保育園以外にも様々な場所で働くことができます。

  • 幼稚園
  • 認定こども園
  • 乳児院
  • 学童保育
  • 児童館
  • 児童福祉施設
  • 放課後デイサービス
  • 院内保育所
  • 企業内保育所

資格が有利となる主な職場は上記の通りですが、端的に言えば「子育てを担う施設」であれば、保育士の資格は就職や転職に役立つのです。もちろん、「子育ての知識や技術を証明する」という特性で言えば、子どもに関わる職業においても保育士の資格は力を発揮します。ベビーシッターや子ども服専門店のスタッフとして働く上で、保育士の資格取得が優遇されるケースは少なくありません。

ただし、勤務場所によっては「保育士以外の資格」が必要となる点には注意しましょう。例えば、幼稚園や認定こども園で働く場合は、保育士の資格に加えて「幼稚園教諭」の資格が必要となるケースもあります。

保育士は、一度取得をすれば生涯有効の資格ですが、新たな資格取得を検討する際は、将来への展望やキャリアプランを考慮して「何を取得するか」を決めるようにしてください。

著者紹介

パソナフォスター 保育Academy担当

保育Academyは保育施設や学童クラブ、イベント託児や個人のお宅でベビーシッターとして活躍したい方や資格取得を目指している方、また現在、保育士や指導員として活躍している方々が知識と自信を持ち、安心して子どもたちと向き合える為の「学び」と「交流」の場です。年間約70回の保育に関わる研修を実施しております。保育Academy担当は、保育士の方や、保育士を目指す方々の研修や保育士資格取得のサポートを行っております。

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